Google社によって2020年10月にリリースされたGoogleAnalytics4は、次世代の解析ツールとして注目を集めています。
特に、2022年3月以降に旧GoogleAnalyticsであるユニバーサルアナリティクスの計測を終了するアナウンスがGoogle社から発表されたこともあり、多くの企業がGoogleAnalytics4への移行を進めています。
とはいえ、GoogleAnalytics4と旧GoogleAnalyticsでは仕様が大きく異なるため、慣れるまでに時間がかかる担当者も少なくありません。
その中でもGoogleAnalytics4に移行して大きく異なる仕様が、レポートのインターフェースです。
GoogleAnalytics4では、それまでのページ主体の解析からユーザー行動ベースに変わったことで、より細かいユーザー行動を分析・解析できるようになりました。
一方で、レポートの仕様が異なるため移行したばかりや使い慣れないうちは仕様にと惑うWeb担当者が多い傾向にあります。
このように、一見便利なようなGoogleAnalytics4に対してレポートをより簡素に分かりやすく抽出・まとめることができるツールとして、Googleデータポータルのニーズが高まっています。
Googleデータポータルは、Google社の提供するBIツールで、GoogleAnalytics4やスプレッドシートといったデータを簡単にまとめることができます。
BIツールはビジネスシーンにおいても不可欠になってきていますが、難しそうで分からないといった声も多く見受けられます。
実際に、
「GoogleAnalytics4に変わってレポートが使いにくい」
「旧GoogleAnalytics4のようなレポートを出したい」
「Googleデータポータルって何?」
といったWeb担当者も少なくありません。
そこで今回は、GoogleAnalytics4にも活用できるGoogleデータポータルの概要から、メリットやデメリットなどについてポイントを中心に紹介していきます。
目次
Googleデータポータルとは?
Googleデータポータルとは、Google社が無料で提供する高精度なBIツールのことを指します。
そもそもBIツールとは、Business Intelligence Toolの略語で、蓄積された数値・データを分析、可視化するためのツールを表します。
BIツールには、Tableau(タブロー)やDomoといった大企業向けのツールが一般的でしたが、Googleが2016年に無料で提供を開始したことで、誰でも手軽に使えるツールとして注目を集めています。
2016年のリリース当初はGoogleデータスタジオという名称でしたが、その後Googleデータポータルへと名称変更されています。
Googleデータポータルは、GoogleAnalyticsはもとより、Google広告やスプレッドシートなど様々なデータソースからなる情報をもとに、レポート作成や数字のモニタリングを自動化することが可能です。
特に様々な要素が集まるGoogleAnalyticsのデータを簡単に可視化できることから、GoogleAnalyticsとともに活用するケースが多くあります。
先程もふれたGoogleAnalytics4では、旧GoogleAnalyticsにあったカスタムレポートがないため、自社の希望に応じたレポート作成には面倒な手間が多く発生します。
これが、Googleデータポータルを活用することでグラフィック的にも分かりやすく、見やすいレポートを作成することが可能です。
旧GoogleAnalyticsのカスタムレポートと同様のレポートをGoogleAnalytics4で作成しようと思ったら、Googleデータポータルを活用すると効果的です。
Googleデータポータルを活用するメリット
続いて、Googleデータポータルを活用するメリットについて紹介していきます。
Googleデータポータルには、GoogleAnalytics4と併用することで分かりやすいレポートが抽出できる以外にも多くのメリットが存在します。
①魅力的なダッシュボードを無料で活用可能
概要でもふれたBIツールは、現在国内外問わず多く存在しますが、無料で手軽に利用できるという点ではGoogleデータポータルが非常に有効です。
導入ハードルも低く、サポートやノウハウ情報も豊富に用意されていることから、企業規模や業種業態問わず利用者も非常に多くいます。
また、無料だからといって機能が制限されているわけでもなく、BIツールとして必要な要素は網羅されており、且つクラウドで展開できることからデータの読み込みや作成したレポートの共有も簡単に行うことが可能です。
また、定期的にバージョンアップも行われており、利便性も今後高まることが期待されています。
②Google系のサービスとの連携が可能
通常BIツールでレポートを作成するためには、接続先のツールごとにコネクタと呼ばれる機能を活用する必要がありますが、Googleデータポータルには様々なコネクタが用意されています。
GoogleAnalyticsをはじめ、Google広告、GoogleSearchConsole、BigQueryなど、Google社の系列サービスはもちろんですが、MySQLやPostgreSQLといった固有のデータベース、データのアップロードなど様々なデータソースに対応しています。
もちろん、GoogleAnalytics4も対応可能です。
このように様々なサービスと連携させ、柔軟にレポート作成できる点はGoogleデータポータル導入のメリットの一つとなります。
③クラウドにより簡単に編集・管理・共有が可能
Googleデータポータルはクラウド型のツールとなります。
そのため、Googleデータポータルを利用する際にはインターネット環境とGoogleアカウントがあれば、場所を問わず簡単にレポートの編集から管理、共有を行うことが可能です。
共有の方法に関しても、対象のGoogleアカウント単位で閲覧のみや編集可能など、権限を自在にコントロールすることができるため、ビジネスシーンにおいては非常に有効活用できます。
Googleデータポータルを活用するデメリット
一方で、Googleデータポータルにはメリットだけでなくデメリットも存在します。これから活用を検討している際には、以下のデメリットは注意点として押さえておくと効果的です。
①レポート作成には少々テクニックが必要
Googleデータポータルでレポート作成を行う上で、設定には少々テクニックが必要になります。
例えば、GoogleAnalyticsの数値・データをもとにレポート作成する場合、レポート化したいデータをGoogleAnalyticsの指標やディメンションから選定する必要があります。
そのため、あまりGoogleAnalyticsに慣れていなかったり、GoogleAnalytics4をもとにレポート化する場合には、そもそもの数値・データがある指標やディメンションを理解しておかなければなりません。
ある程度の知識があれば簡単にレポート作成につなげることができますが、こちらも慣れるまでには時間がかかる点は考慮しておく必要があります。
②レポートの詳細なカスタマイズ度合いは低い
Googleデータポータルには、レポート作成に欠かせないテンプレートデザインが多数用意されています。
通常の表やグラフ、図などは網羅されているため、この中から自社に合ったレポート形式を選定すれば問題ありません。
ただ、自社や担当者独自のこだわりをもとに細かくデザインをカスタマイズすることはできないため、細部まで突き詰める上では不向きな場合も起こり得ます。
Googleデータポータルとの連携可能なGoogleAnalytics4の指標とは?
最後に、Googleデータポータルと連携可能なGoogleAnalytics4の指標について紹介していきます。
GoogleデータポータルはGoogleAnalytics4と連携させることで多くのGoogleAnalytics4の指標やディメンションをレポート作成に活用できます。
この指標やディメンションは、連携させるGoogleAnalytics4のプロパティによって変わってきます。
活用可能な指標やディメンションは、Googleデータポータル内のデータソースの管理画面から確認することが可能です。
とはいえ、現在Googleデータポータルで連携可能なGoogleAnalytics4の指標は、旧GoogleAnalytics(ユニバーサルアナリティクス)に比べるとまだまだ少ない傾向にあります。
今後のGoogleAnalytics4の動向を踏まえながら、Googleデータポータルも随時確認していくと効果的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Googleデータポータルを活用することで、様々な数値・データを分かりやすく簡単にレポート化することが可能です。
スマートフォンの普及もあり、ホームページだけでなくアプリケーションによる分析も必須の時代になってきています。
複数のカテゴリにおける様々な数値・データを正しく分析・解析していくためには、レポート化を上手く行わなければなりません。
Googleデータポータルを活用し、GoogleAnalytics4をはじめとする様々なデータを整理しながら、効果的なレポート作成につなげていきましょう。