ホームページを複数のユーザーで管理・運用していたり、Web広告を広告代理店などに依頼している場合、GoogleAnalyticsの数値・データを共有して確認したいケースが多く存在します。
GoogleAnalyticsは、自社のホームページにおけるユーザーの行動を細かく分析できるため、数値やデータを日々確認することは重要です。
GoogleAnalyticsの中にはそれぞれのデータをCSVやPDFなどでレポートとして出力することもできますが、毎回出力して担当者に共有することは非常に手間がかかります。
リアルタイムで確認したい場合には、同一のアカウントを複数ユーザーで確認できた方が効率的です。
このような場合に、GoogleAnalyticsでは閲覧権限を指定するユーザーに付与することが可能です。
アクセス権限を特定のユーザーに付与することで、複数ユーザーでGoogleAnalyticsを管理・分析・編集することができますので、担当者が複数人いる場合には非常に効果的です。
この閲覧権限の付与は、公開する範囲を段階によって分けることができるため、ただデータを閲覧できるようにしたい、このユーザーには編集も行えるようにしたいといった形で、権限を細かく設定することも可能です。
とはいえ、GoogleAnalyticsで閲覧権限をどう付与したらいいのか分からないといった担当者も少なくありません。
また、権限の付与手順はそこまで難しくありませんが、権限レベルが正しく行わないと「アナリティクスの管理者が分からない」「覚えのない設定変更がされた」といったトラブルが起こる可能性もあります。
そこで今回は、GoogleAnalyticsの権限付与に関して、その特徴や種類、設定方法などポイントを中心に紹介していきます。
目次
GoogleAnalyticsの権限の付与とは
そもそもGoogleAnalyticsの権限付与とは、日々GoogleAnalyticsを活用する自社の担当者以外に、社内の別担当者や広告プロモーションを依頼している代理店、顧客、関連する外部の業者といったような第三者に対してGoogleAnalyticsを閲覧できる権利を付与することを指します。
この権限付与には階層や種類が分かれており、対象のホームページだけ閲覧できる権限やGoogleAnalytics内の編集までできる権限など細かく設定することが可能です。
基本的に権限の付与に際しては、対象のユーザーがアクセスする専用のGoogleアカウントをGoogleAnalytics経由で招待することで設定することができます。
GoogleAnalyticsの階層とよくある付与パターン
GoogleAnalyticsの権限付与の中で表記される階層とは、「アカウント」「プロパティ」「ビュー」の3つの階層のことを指します。
一般的にこの階層とは、以下のような分類が行われます。
「アカウント」:企業単位で設定される一番上の階層
「プロパティ」:サイト単位で設定されるその下の階層
「ビュー」:分析したいデータ(社内アクセス除外、デバイス別のアクセスなど)単位で設定される一番下の階層
その上で、よくある権限付与のパターンとしては以下のようなケースが存在します。
①制作会社や広告代理店にGoogleAnalyticsの設定・管理などを全て任せる場合
→「アカウント」階層において「編集」+「ユーザー管理」の権限を付与
②特定のホームページにおけるコンバージョン設定を依頼したい場合
→「プロパティ」階層において「編集」の権限を付与
③特定のホームページにおける数値やデータのレポート作成を依頼したい場合
→「アカウント」もしくは「プロパティ」階層において「表示と分析」の権限を付与
GoogleAnalyticsで付与できる権限の種類
続いて、GoogleAnalyticsで付与できる権限の種類についても紹介していきます。
①ユーザー管理
ユーザー管理とは、ユーザーの追加やユーザーの権限管理などができる権限です。
権限付与したいユーザーの追加や削除などを行うことが可能です。
なお、ユーザー管理でできるのはあくまでも管理のみであり、GoogleAnalyticsの数値やデータは閲覧できません。
②編集
編集とは、アカウントやプロパティ、ビューの各種設定を行うことができる権限になります。
コンバージョンの設定やフィルタの設定を行う場合には、この編集の権限が付与されていなければなりません。
編集権限が付与されていれば、GoogleAnalyticsの設定はもちろんデータ収集も行うことができますが、一方でユーザーの管理はできません。
③共有設定
共有設定とは、ダッシュボードやメモといったアセットの作成・共有ができる権限のことを指します。
共有設定の権限が付与されている場合には、④で紹介する「表示と分析」の権限も付与されているため、レポートの閲覧も可能になります。
④表示と分析
表示と分析とは、GoogleAnalyticsのレポートを閲覧できる権限のことを指します。
あくまでもデータの表示だけであり、編集等を行うことはできません。
広告代理店のような外部の業者などに自社のGoogleAnalyticsの数値やデータを見てもらう際にはこちらの閲覧権限を付与すると効果的です。
GoogleAnalyticsの権限付与の手順
次に、GoogleAnalyticsの権限付与の手順について紹介していきます。
ここではアカウント単位で権限を付与する場合の手順について紹介します。
なお、事前にユーザー管理権限のあるGoogleアカウントで、GoogleAnalyticsにログインしておく必要があります。
また、GoogleAnalytics4のバージョンにおきましても権限付与の手順は基本的に同じとなります。
①「アカウントのアクセス管理」を選択
→プロパティ、ビューの場合はその階層にある「アクセス管理」をクリックします。
②右上のプラスボタンを選択
③メールアドレスと権限を設定し「追加」を選択
→権限を付与するメールアドレスと権限を設定し「追加」をクリックします。
これでGoogleAnalyticsの権限付与は完了となります。
付与された権限の確認方法
権限を付与する側に関する手順は上記の通りとなりますが、逆に担当者に権限付与頂いた場合には、必ず正しく付与されたか確認する必要があります。
この確認方法は、大きく以下の2つがあります。
①GoogleAnalyticsへの招待メールを確認
権限付与された場合には、対象のメールアドレス宛にGoogleAnalyticsへの招待メールが届きます。こちらをもとに正しく付与されているのか確認することができます。
②GoogleAnalyticsの管理画面から確認する
実際に権限付与されたか確認するには、①の招待メールの確認後にGoogleAnalyticsへ実際にログインして確認すると効果的です。
・ユーザー管理権限の有無の確認方法
アカウントやプロパティ、ビューレベルで「アクセス管理」をクリックしてみると、ユーザー管理権限があればユーザー一覧が表示されます。
この状態であれば問題ありませんが、再度ユーザー管理権限が必要な場合には、「アクセスをリクエスト」から既存の管理者に承認してもらう必要があります。
・編集権限の有無
編集権限が付与されているかについては、コンバージョン設定から確認可能です。
「管理画面」>「ビュー」>「目標」を選択し、「+新しい目標」がクリックできるか確認します。
グレーアウトしてクリックできなければ編集権限はないことになりますので、再度管理者に確認の上、申請する必要があります。
GoogleAnalyticsで権限の付与を行う際の注意点
最後に、GoogleAnalyticsで権限付与を行う際の注意点についても紹介していきます。
権限を付与したい相手のメールアドレスが必要
GoogleAnalyticsの権限を付与する場合、付与する相手のメールアドレスが事前に必要となります。
メールアドレスは、Googleアカウントにログインする際に使用しているものか、Googleアカウントに登録されているものが使用可能になります。
Googleアカウントで使用・登録しているメールアドレスがない場合は、別途Googleアカウントを作成しなければいけませんので注意が必要です。
追加できるアカウント数・プロパティ数・ビュー数には上限がある
GoogleAnalytics上で追加できるアカウント数やプロパティ数、ビュー数には、以下のように上限があります。
アカウントの上限100件まで、プロパティは上限50件、ビューは上限25件となります。上限の範囲内で権限付与する必要がありますので、こちらも注意が必要です。
必要最小限の権限を付与するようにする
最後に、GoogleAnalyticsの権限を付与する際には、ユーザー管理、編集、共有設定、表示と分析という4つの権限レベルから、必要最小限の権限を選択して付与することが重要になります。
権限付与を行い過ぎると、誰がどのデータを閲覧・編集できるのか分からなくなり、重要なデータが間違って削除されてしまったり、見られたくない数値やデータを閲覧されてしまったりといったトラブルが発生する可能性が高まります。
闇雲に権限付与を行うのではなく、最低限の権限付与におけるルールを事前に社内で決めておくと効果的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
GoogleAnalyticsでは、ユーザーに権限を付与することでユーザー管理やデータの共有、閲覧などができるようになります。
権限付与ができれば、社内のメンバー以外にも外部の協力会社とも情報共有ができ、より効率的なアクセス解析ができるようになります。
最低限のルールを定めつつ、効率的なGoogleAnalyticsの運用につなげていきましょう。