メールマガジンは企業側が顧客と接点を持つ上で効果的且つ代表的なマーケティング手法の一つです。
定期的なキャンペーンや割引といった情報だけでなく、顧客に対して役立つ情報を日々メルマガとして送付するなど、様々な手法で顧客と接点を持つケースも多いでしょう。
しかしながら、いくら企業側からメルマガ配信を行ったとしても、そのメールが顧客に読まれなければ意味がありません。
そこで重要になってくるのがメルマガの開封率です。開封率が低ければ、いくらお得な情報を発信したとしても効果にはつながりません。
メルマガの効果を高めるためには、まずはこの開封率の向上が対策のカギになります。
メールマガジンの配信には、顧客ターゲットに応じた企画やライティングなど、多くの工数がかかります。
そのため、効果検証をしっかり行いながらPDCAサイクルを回していくことが重要です。
とはいえ、実際には「メルマガの配信は行っているものの、効果測定まではやり切れていない」「メルマガの効果検証をどう行ったらいいか分からない」という企業も少なくありません。
このメルマガ経由の効果測定に関しても、GoogleAnalyticsを活用して分析・解析することが可能です。
ただ、GoogleAnalyticsでメルマガの効果測定を行うには、事前に設定を行う必要があります。
何もせずにいたままでは、(direct) / (none)に含まれてしまいますので、正しくメルマガ経由の効果を測定するためには注意が必要です。
今回は、GoogleAnalyticsでメルマガの効果を計測する手法について、ポイントを中心に紹介していきます。
また、メルマガの効果計測と同様に、昨今ではスマートフォンのアプリ経由の効果検証も重要になってきています。
後半部分では、GoogleAnalyticsでアプリ経由の効果検証を行うポイントについても一部紹介していきます。
目次
なぜメルマガの効果測定が重要なのか?
まず、GoogleAnalyticsでメルマガの効果検証を行う手法について紹介してきます。
そもそも、なぜメルマガの効果測定が重要なのでしょうか?
メルマガは、ただ企業側が顧客に配信さえすれば良いというものではありません。
本来は、メルマガ経由で売上増加を図ったり、販促活動や顧客との関係強化といった目的が存在します。
この目的が達成されているか、成果にしっかりとつながっているかを確認しなければ、メルマガを行う意義はなくなるでしょう。
そのため、数値をもとに正しく効果検証を行うことは重要になります。
実際に、ただメルマガを配信するだけで、効果検証を行っていない企業は少なくありません。
そのような企業は、最終的にはメルマガの配信自体も億劫になり、自然と配信を止めてしまい顧客との接点も失ってしまうこと多くあります。
一方で、メルマガの効果検証を正しく行い、改善を繰り返していけば、顧客との関係も良好になり、安定的な売上増加につなげることも可能になります。
GoogleAnalyticsをもとに、数値を正しく分析・解析し、効果的にメルマガを運用していくことが重要です。
GoogleAnalyticsでメルマガの効果測定を行うには?
メルマガ配信から自社のホームページへの集客をはじめ、売上や資料請求、問合せといったコンバージョンを計測するためには、GoogleAnalyticsが効果的です。
GoogleAnalyticsでは、通常の広告や他者のホームページからの導線と同様に、メルマガからのユーザー行動も分析・解析することが可能です。
ただ、GoogleAnalyticsでメルマガ経由の数値・データを確認するためには、事前に設定が必要になります。
通常、GoogleAnalyticsの左メニューから「集客」>「すべてのトラフィック」>「参照元/メディア」にてどこからユーザーが自社のホームページに訪れたのか確認することができます。
メルマガ配信経由に関しても、こちらで確認できますが、特に設定を行っていない場合には、メルマガ経由の流入は「参照元/メディア」の中で「direct/none」のカテゴリに含まれてしまいます。
これは、ノーリファラー(参照元無し)として分類されてしまうためで、これを防ぎ、正しくメルマガ経由の流入をカウントするためには事前に設定を行う必要があります。
なお、「direct/none」のカテゴリ内には、メルマガ経由以外にもブックマークからの流入やURLの直接入力、後ほど紹介するアプリからの流入なども含まれてしまうため、「direct/none」の内、何件がメルマガ経由なのかを把握するためには必ず事前に設定を行うようにすると効果的です。
※こちらの記事もあわせてCHECK!
→ 「GoogleAnalyticsのnot setとnot providedとは?」
メールマガジンの効果をGoogleAnalyticsで確認する方法
GoogleAnalyticsの「direct/none」に含めず、正しくメルマガ経由の数値・データを確認するためには、事前の設定が必要となりますが、これは、メルマガから自社のホームページにリンクさせるURLにパラメータを付与することで特定できるようになります。
Googleでは、この手法をカスタム・キャンペーンと呼ばれています。
URLにパラメータを付与することで、GoogleAnalytics上で自社のホームページに訪れたユーザーがどこから、どういった媒体から、どういったキャンペーンから訪れたのかを細かく数値・データで見ることができるようになります。
パラメータとは、URLの末尾に「?utm」と設定する文字列のことを指します。
一般的には広告出稿時にバナーなどに設置するケースが多くなります。GoogleAnalyticsでは、以下のルールに従ってURLのパラメータを付与することが可能です。
「utm_source」:参照元
→どこから流入したユーザーなのかを識別するパラメータになります。これはGoogleAnalyticsで数値・データを確認するためには入力必須の項目になります。メルマガ経由のカウントを確認するためには、「newsletter」や「mailmagazine」などと設定することが一般的になります。
「utm_medium」:メディア
→どの媒体から流入したのかを識別するパラメータになります。こちらも入力必須の項目となります。メルマガ経由の数値を取得する場合には、必ず「=email」と設定する必要があります。
「utm_campaign」:キャンペーン
→どういったキャンペーンから流入したユーザーなのかを識別するパラメータになります。
このパラメータは他の2つと違って特に入力必須という訳ではありませんが、メルマガ配信の日付や特徴など、後ほどGoogleAnalyticsで確認しやすい名称を入力すると効果的です。
このような3つのパラメータを組み合わせ、メルマガ内から自社のホームページにリンクさせるURLに構成すると、「http://〇〇.net/?utm_source=newsletter&utm_campaign=●日付●&utm_medium=email」という形になります。
パラメータの設定が難しければ、Google社が提供している「Campaign URL Builder」というサービスもあります。
こちらを活用することで、簡単にパラメータ付きのURLを発行することも可能です。
パラメータ設定後のGoogle Analyticsでの確認方法
パラメータの設定が完了し、メルマガ配信を行ったのであれば、GoogleAnalyticsで確認していきましょう。
GoogleAnalyticsでは、先ほどもふれたように左メニューから「集客」>「すべてのトラフィック」>「参照元/メディア」にてメルマガ経由のユーザー動向を確認することができます。
メルマガ経由の流入は、GoogleAnalyticsの「参照元/メディア」上に「newsletter/email」のような形で表示されています。
また、「utm_campaign=〇〇」のように任意の日付や特徴といったキャンペーンを設定した場合には、「newsletter/email」をクリックした先の「セカンダリディメンション」>「広告」>「キャンペーン」の中でも配信を行ったメルマガごと(付与したパラメータ別)に確認することも可能です。
セッション数や直帰率、平均滞在時間はもちろん、Google Analyticsでコンバージョン設定を行っていれば、コンバージョン数やコンバージョン率なども確認することが可能になります。
このようなメルマガ経由のGoogleAnalyticsデータを活用し、コンバージョンにつながるメルマガにつなげていくと効果的です。
GoogleAnalyticsでアプリ計測を行う重要性
続いて、メルマガとともに効果検証が重要なアプリ経由の集客に対する計測方法についても紹介していきます。
スマートフォンの普及やインターネット回線の向上によって、誰もがスマートフォン経由で検索やアプリケーションを活用するようになり、アプリを介したコミュニケーションが主流となりつつあります。
このような中で、企業としてもウェブだけではなくアプリの開発や提供に力を入れるようになり、日々のマーケティングやデータ解析の領域においてもアプリとウェブを統合した分析は重要になってきています。
こうした市場の変化にあわせ、Googleアナリティクスもモバイル向けの計測方法や機能が洗練され、アプリの計測にも対応できるように進化してきました。
とはいえ、具体的にどのように分析できるのか分からない担当者もまだまだ少なくありません。
そこで、続いてはGoogleアナリティクスでモバイルアプリのデータを分析する2つの方法についても紹介していきます。
Googleアナリティクスでモバイルアプリのデータ計測する方法は2つ
そもそもGoogleアナリティクスでは、モバイルアプリのデータを計測する方法は、大きく「Firebaseアナリティクス」と「旧GoogleAnalyticsアプリ+ウェブプロパティ(現 GoogleAnalytics4)」の2つが存在します。
Firebaseアナリティクスは、モバイルアプリに特化したGoogleアナリティクスのような構造で、ユーザーのアプリ使用状況や行動データを「イベント」と「ユーザープロパティ」の2つのカテゴリをもとに収集・計測しています。
イベントは、ユーザーの操作やシステム関連のイベント、エラーといったアプリ上での動作を指し、ユーザープロパティは、言語設定や地理的情報など、ユーザーベースのセグメントを定義する属性を表しています。
一方で、「アプリ+ウェブプロパティ(GoogleAnalytics4)」は、今までWebサイトのデータはGoogleアナリティクスを活用し、モバイルアプリのデータは「Firebase向けGoogleアナリティクス」をもとに計測してきました。
ただ2019年以降、新しく「データストリーム」と言う概念で計測を行い、アプリ計測の仕組みをベースにWebサイトも同じディメンションや指標で統一して計測することが可能になったプロパティとなります。
「アプリ+ウェブプロパティ(GoogleAnalytics4)」は、今までのGoogleアナリティクスのUIをベースに、Firebaseアナリティクスの強みを合わせた新しい計測と分析に特化したプラットフォームとなります。
モバイルアプリがビジネスの中心となっていたり、ウェブとアプリで集客をしていたりする企業は、早い段階でアプリ+ウェブプロパティ(GoogleAnalytics4)を活用し、データを蓄積しておくと効果的です。
「Firebaseアナリティクス」と「アプリ+ウェブプロパティ」の違い
Firebaseアナリティクスは、従来のGoogleアナリティクスと同様に、訪れたユーザーの行動を分析し、レポーティングするためのツールとなります。
ただ、あくまでFirebaseをベースにしたアプリ計測ツールとなるため、アプリのみしか計測が出来ません。
また、Googleアナリティクスとはデータベースの構造やダッシュボードのUIなども異なります。
そのため、Firebaseアナリティクスとアプリ+ウェブプロパティの特徴と違いを正しく理解しておくことが重要です。
まず大きな違いは、アプリの計測・収集データが、Firebaseアナリティクスではイベントベースであるのに対し、アプリ+ウェブプロパティではスクリーンビューベースである点です。
Firebaseアナリティクスは、イベント(ユーザーのアクション)とユーザープロパティ(ユーザーの属性)で定義して計測しています。
このイベントとユーザープロパティは柔軟に定義することができ、多種多様な指標にもとづいたレポートを作成することも可能です。
また、このFirebaseアナリティクスをもとに、さらにアプリとウェブとのクロスプラットフォーム分析を可能にしたものが、「アプリ+ウェブプロパティ(GoogleAnalytics4)」となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
GoogleAnalyticsを活用することで、いままで確認しきれていなかったメールマガジンやスマートフォンのアプリ経由のユーザー動向も細かく確認することができるようになります。
数値・データが分かれば、メルマガの文章や配信ターゲット、スマートフォンアプリのコンテンツなども改善につなげやすくなります。
「direct/none」で終わらせず、正しく数値を読み取るとともに、効果的な施策につなげていきましょう。