メールマガジンは企業がマーケティングや顧客と接点を持つための効果的な方法の1つであり、多くのB to Cまたは昨今増えつつあるD to C企業で導入されています。
しかしながらこの中には、しっかり継続して効果を出している企業もあれば、十分な効果が得られないまま途中でやめてしまうケースもあるなど両極端の結果が生じています。
2つの違いはいったいどのような点なのでしょうか?
それはメルマガ導入の効果を分析しているか否かです。当然のことながら効果測定している企業はしっかり効果を出している一方、分析していない企業は逆の結果となるわけです。
ここではメルマガ導入後に実施すべき、「メルマガ分析」について確認すべき内容とその実施方法について詳しく解説します。企業のメルマガ担当者で導入後の効果が伸び悩んでいらっしゃる企業の皆様、是非この記事を参考にしていただければ幸いです。
目次
メルマガ解析とは?
メルマガ解析の方法を説明する前にメルマガ解析について解説します。そもそもメルマガ解析とはどのようなものなのでしょうか?
メルマガ解析とは、メルマガが企業利益にどの程度貢献しているか?を確認する指標となります。
例えば自社商品を紹介するメルマガであればその目的は商品の売り上げアップにあるはずです。
すなわちメルマガ配信者のうち何人がそのメルマガを見て商品購入したか?を確認することこそ、メルマガ解析の目的となるわけです。
メルマガによる成果を上げるためには必須事項
しかしながら最初からメルマガによる効果を望むのは難しいでしょう。
なぜならお客様が何を求めているのか?どのような内容のメルマガにすればお客様は商品に関心を持ってくれるのか?わからないからです。
わからないためにお客様設定を増やす意味でメルマガを導入するわけです。
よって、メルマガの効果を分析することは運用する際の必須事項といえるわけです。メ
ルマガ発行→結果を分析→メルマガ内容の改善といった一連の改善サイクルを回すことで、お客様の求める内容に近づけ、最終的には業績アップにつなげていくことになるわけです。
メルマガ運営するにあたり分析を全く行っていないとするなら、それは本来の意味を全くなしていないともいえるわけです。
現時点でメルマガ運営はしているものの分析していない企業があるならば、今すぐ分析を始めるべきです。
分析項目は大きく3つ
メルマガ運営するなら分析は必須、とお話ししましたが、具体的にどのような点を分析すればよいか?ご存じでしょうか?
分析というからには非常に多くの難しい項目をお考えになられる方もいらっしゃるかもしれません。
実はメルマガの分析はたった3つという少なく非常にシンプルな内容を分析するのみなのです。
そしてそのシンプルな3つの項目は、メルマガを受け取ったユーザの「行動」に紐づいています。
それは、メールの「開封」、メルマガ内のリンクの「クリック」、そして商品を契約する「コンバージョン」の3つです。
これらたった3つの項目がどのようなことを教えてくれるのか?詳しく説明しましょう。
1.開封率
1つ目はメルマガの「開封率」です。その名の通り開封率とは、メルマガ配信したユーザの中で実際にメルマガをクリックして開封したユーザ数の割合を表します。
この値を分析することで、メルマガの「第一印象」がユーザにどの程度受け入れられたか?を確認できます。
メルマガの第1印象とは?メールを開く前にみえるもの、すなわちメールタイトルです。いくら中身が充実していてもユーザがメールを「開封」してくれなければ意味がありません。
そういう意味では、第1印象となるタイトルが非常に重要な要素となってきます。
また年齢別や性別などで開封率を分類すればそのタイトルがどの層に支持されているか?なども割り出すせるでしょう。
開封率を分析することは、メールを開封してもらえるタイトルとなっているか?チェックし改善につなげられるわけです。
2.クリック率
2つ目はメルマガ内のWebリンクに対する「クリック率」です。
無事メールを開封頂いたとして、商品契約に向け次の関門は商品紹介ページに接続してもらえるか?という点になります。
これはメルマガ内のURLをクリックし、Webページアクセスした人数を分析すればわかる、ということです。
開封率がメルマガの「第1印象」を図る指標ならば、クリック率はメルマガ内部の「コンテンツの魅力」を図る指標となります。
メルマガを開いた後、メルマガ内URLをクリックするとき、何をみて決めますか?メルマガ内のコンテンツですよね?それは必ずしも説明文だけでなく、張り付けられている画像や時には動画のようなものもあるかもしれません。クリック率を確認すればそのコンテンツのよしあしがわかる、ということです。
もしメルマガ内に複数のURLリンクが張り付けてある場合は、それぞれのリンクのクリック率を調べることで、メルマガ内容がどの商品のクリック率に効果があったかを確認できます。クリック率を分析することはよりユーザがよろこぶコンテンツ作りにつなげられるわけです。
3.コンバージョン率
最後はコンバージョン率です。
コンバージョンとはマーケティングの世界では「最終的な成果」のこと、すなわち「商品の契約」を表します。
この値を分析することは言うまでもなく、メルマガが商品契約に結び付いた効果を示す値になるわけです。この値が上がれば上がるほど、メルマガ戦略の効果が出ている、ということになりますね。
また、コンバージョン率とクリック率の差分を分析すれば、クリックした後のWebコンテンツの課題をあぶりだすことも可能なのです。
コンバージョン率を常に図り続けることは、メルマガによる業務効果を可視化できる、非常に重要な要素となるのです。
Googleアナリティクスによるメルマガ分析の設定・利用方法
メルマガ運営時における効果測定の三大要素、「開封率」「クリック率」「コンバージョン率」がいかに重要であるか?何故測定する必要があるのか?これまでの説明でご理解いただけたのではないでしょうか?
しかしこの値を知った皆さんは次にこのような疑問を抱くと思います。「分析は非常に難しいのではないだろうか?」。
実はWeb分析ツールの大手、Googleアナリティクスを利用することで、非常に簡単、かつ詳細に分析できるのです。GoogleアナリティクスはWebサイトの分析ツールなのに何故、メルマガの分析ができるの?という疑問を抱いた方もいらっしゃるでしょう。
確かにGoogleアナリティクスはWebサイトの分析ツールです。しかしながらちょっと工夫することで、メルマガの3つの要素を分析できるのです。
それではそれぞれの指標をどのように分析するのか?詳しく解説しましょう。
開封率
Googleアナリティクスで分析する際、一番疑問を持たれるのはこの「開封率」の分析だと思います。
「Web分析ツールであるGoogleアナリティクスで何故、メルマガを開封したか否か?をチェックできるのか?」。
それはちょっとしたこと、メール形式をうまく利用することにあります。皆さん思い出してみてください。HTMLメール形式というのがありますよね?そう、メールもWebサイトのような扱いができるのです。
■Googleアナリティクスに「開封率」という定義はない
実はGoogleアナリティクスには、「開封率」という指標はありません。
GoogleアナリティクスはWebアクセス数を分析するツールであり、メール分析するツールではないからです。
それではどのようにして測定するのでしょうか?実はさほど難しいことではありません。メール開封率は、実際にメルマガ開封した人数を配信総数で割った値ですので、計算すればすぐに算出できます。
問題はその「開封した」ということをどのようにして確認すればよいのか?という点です。先ほど、HTMLメール形式はWebサイトと同じ扱いが出来る、とお話ししました。
そこでGoogleアナリティクスのある機能を利用し、配信するメルマガにある「仕掛け」をします。
■ポイントは、メール本文に「コード」を埋め込むこと
その仕掛けとは、メールに「コード」を埋め込むのです。
メルマガ開封率を測定するために、Googleアナリティクスのイベント機能を利用します。このイベント機能はあるパラメータをWebページに埋め込み、そのアクション回数をカウントする機能なのですが、この機能をうまく応用します。
メルマガにはよく画像を埋め込むことがあるかと思いますが、この画像データの中にGoogleアナリティクスのイベント用コードを埋め込みます。
こうすることでメルマガを開いた際、画像が読み込まれる度にイベントとしてカウントされるため、メルマガを開いた回数がわかります。
あとはイベント回数を確認し、先ほどの数式で開封率が算出できる、という形です。
ただ1点注意が必要なのはメルマガのメール形式はHTMLメールでなくてはならない点です。
開く側がHTMLメールをテキストメールに変換した場合も含め、テキストメールでは開封率を測定できませんので、メルマガは必ずHTMLメールで構成する必要があります。
クリック率
次に確認するのはクリック率です。クリック率はメルマガ上のURLを何回クリックしたか?を確認しメルマガ総配信数で割れば算出できます。
こちらはGoogleアナリティクスのURLアクセス数で判別できるのですが、1点課題があります。
メール上に記載したリンク先URLへのアクセス数をカウントするとして、そのカウント数のうち、何人がメルマガからアクセスしたのか?判別できるのでしょうか?
もちろん可能です。そしてその方法とは、開封率同様、メルマガに張り付けるリンク先URLにちょっとした仕掛けをすることで簡単に判別できます。
メルマガ上のリンク先URLにひと工夫するだけ
メルマガ上のリンクにいったいどのような仕掛けをするのでしょうか?それはちょっとしたコードを付加するのです。
GoogleアナリティクスではユーザがどのソースからWebページに流入したか?確認する方法があります。
それはURLの後ろに特殊なコード(utm_medium=”mail”)を付加することで分類できます。
メルマガ上に張り付けるリンクの後ろにこのコードを付加することで、メルマガからアクセスしたアクセス数を割り出せます。
Webの流入元別に確認できる
Googleアナリティクスには流入元別でのアクセス数をカウントすることが可能です。
それはアクセス元毎で異なるコードを付加することで分類され、表示されるわけです。この機能を利用し、メルマガの「クリック率」を簡単に分析できます。
コンバージョン率
最後はコンバージョン率です。メルマガを読んでいるユーザが最終目標である、商品の「契約」「購入」、あるいはサービスの「登録」に結び付いたか?についてどのように分析すればよいのでしょうか?
実はこれは比較的簡単です。Googleアナリティクスにはコンバージョン率を測定する機能、「目標の設定」があります。
Webサイトを運営する方々にはそれぞれの目的や目標があるはずですので、Googleはその分析ができる機能をあらかじめ準備しているのです。コンバージョン率はこの機能を利用し分析します。
複数目標に対する「達成率」を設定可能
この「目標の設定」は複数の目標に対し設定できます。例えば複数ある商品の「購入」をそれぞれ分析する必要がある場合や、ある商品を契約されたお客様の中でオプションサービスに加入されたユーザ数のみを測定するといった、複雑な条件下での分析も可能としています。
設定は目標を追加するだけ
ここまで聞くと、設定はとても難しいのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際はそんなことはありません。Googleアナリティクスで「目標の設定」をしたうえで、Web上でどのアクションをしたら契約となるか?条件を登録するだけです。
あらかじめ準備されたWebサイト上で設定するだけで比較的簡単に設定できますので、Googleアナリティクスに慣れていらっしゃらない方でも簡単に設定できるはずです。
【まとめ】メルマガ分析にもGoogleアナリティクスを利用しよう
いかがだったでしょうか?メルマガ運営する場合、その分析は必須事項となりますが、その内容はそれほど難しい内容ではありません。確認する項目は「開封率」「クリック率」「コンバージョン率」のたった3つであり、Googleアナリティクスを利用することで比較的簡単に設定、分析できます。
メルマガ運営されている担当者の皆さん、これを機にGoogleアナリティクスでメルマガ分析されてみてはいかがでしょうか?